会員企業紹介#3「株式会社友金商事(金廷守京都会長)」

  • 金廷守(キム・ジョンス)(66歳)
  • 株式会社友金商事 代表取締役  
  • 京都韓国商工会議所 会長

 

「 100年企業を目指し」

権五明)経営されております会社の事業等についてお聞かせください。
金廷守)メインは製造業(友金電機株式会社)になります。また、パチンコ業(株式会社友金商事)や賃貸業、収益物件等も取り扱っています。
権五明)製造業ではどんな商品を扱っていますか?
金廷守)商業ビルや商業施設等では、家庭用の電気と違って高い電圧を高圧線から引っ張る必要があり、その為に、トランス(変圧器)とかコンデンサー(蓄電器)という大きな設備が必要です。弊社はその設備の中で心臓部になるような部品等の製造を行っています。
権五明)この分野で在日企業はあまり多くないと思いますが、どの様な経緯で今の事業に至ったのでしょうか。
金廷守)弊社はもうすぐで創業80 年ほどになります。父が若い時、当時大阪で0.34 ミリの固い特殊な金属を切断して、その薄いのを合わせていくという職人をやっていました。腕前が良かった様で、それを見込んだ京都にある会社の社長さんが、ちょっとある会社の手助けをしてほしいと言われ、京都の会社に派遣されました。私が生まれる前の話です。その京都の会社はあの日新電機に商品を下ろしていた会社だったそうです。
権五明)今は上場している、日新電機株式会社ですね。
金廷守)そうです。そうしているうちに、その会社の親方も引退する年齢になり、父に、「この会社をやらないか?」と言われたそうです。当時、小屋の様な工場だったそうですが、父もまだ若かったのですが、それを受けて、約80 年も続いています。
権五明)創業100 年も遠くないですね。
金廷守)それまで続けていきたいですね。
権五明)現在は遊技場も経営されているとの事ですが、こちらは今後、どの様な展開をお考えですか?
金廷守)パチンコ業界は非常に厳しいです。三重苦四重苦の局面に入っていると痛感しています。この環境下でどこに着地点を見出すか、考えているところです。
権五明)製造業の方では、どの様な展開をお考えですか?
金廷守)現在、開発に力を入れています。これは将来の目標になるのですが、メーカーを目指しています。メーカーを目指すのは、非常に難しい事なのですが、今扱っている商品に様々な付加価値をつけて、開発を進めていこうと考えています。
権五明)これだけの目標があると、更に仕事に熱が入りますね。
金廷守)私は当然頑張らないといけません。それ以上に、今いる従業員に、そのような環境を作ってあげる事、その為に投資もしながら、皆が前に進める環境をハード面でも、ソフト面でも作ってあげたいです。

 

 

「 先人の言葉の重み」

権五明)コロナ禍の影響はどの様なものでしたか。
金廷守)製造業、パチンコ業、賃貸業で言いますと、製造業、賃貸業はほぼ影響はなかったです。しかしパチンコ業は、売り上げが2割3割落ちました。アフターコロナ禍と言われる時期になっても売上は戻っていません。
権五明)コロナ禍で様々な経験をされたと思います。コロナ禍で得た経験は何かありますか?
金廷守)世の中何が起こるか分からないという事を肌で感じた。私も、60 年以上生きてきて、様々な経験はしてきたつもりですが、ここまで、まるで映画の様な世界がくるとは思ってもみなかったです。それも世界規模で。人が亡くなったり、企業が潰れたり…。世の中何が起こるか分からない、というのは大きな人生の中の教訓となりました。
権五明)何が起こるか分からない。正にそうですね。
金廷守)昔の人が言っていた「3つの坂」、上り坂、下り坂、まさか。先人の言葉は重いです。

金廷守京都会長(写真右)と権五明広報副委員長

 

「 メリットを提供できる組織に」

権五明)昨年、京都韓国商工会議所の会長に就任されました。会の運営はいかがですか?
金廷守)会費の対価をサービス等で提供していかなければならないと強く感じています。会の将来を考えても、この点はしっかりと求めていかなければなりません。付加価値のあるサービスを提供して、会員が会に入ったメリットを感じてもらえる様にする事が大きな課題の一つと考えています。
権五明)なるほど。金廷守会長は京都韓商に入られてどれくらいになりますか?
金廷守)もう25 年くらいになると思います。当時の京都韓商会長に声をかけられたのがきっかけです。特に朴義淳会長、金芳秀会長は元々JC の先輩で、私も色々親切にしてもらっていたので、その方たちが地元の会長に就任すると、自分も自然に、何というかその線路に乗らしてもらったみたいな流れがあります。京都は、韓昌祐会長も会長をされているので、実は結構プレッシャーも感じています(笑)。

 

 

「 意志あるところに道は開ける」

権五明)会社経営、組織運営の中で金廷守会長が大事にされている事は何ですか。
金廷守)意志あるところに道は開ける、という言葉があると思います。この意志、または意識がすごく大事だと常に思っています。当たり前の言葉かもしれませんが、様々な変化が起こる中で、意志や意識を持ち続けるというのは、非常に大事だと思います。
権五明)先ほど、開発を強化してメーカーを目指すというお話の際も、強い意志を感じることができました。やはり強い意志をもって、そこを目指すということでしょうか。
金廷守)はい。80 年近く会社が続いていますが、メインは下請けです。当然、今の環境も大変有り難いです。一方で、同じモノを作るのなら、自分たちのオリジナリティを苦労して生み出せたら、すごくワクワクすると思うのです。私の一つの夢です。

 

 

「 呼吸からメンタルを整える」

権五明)忙しい日々を過ごされていると思いますが、健康維持の秘訣は何ですか?
金廷守)ウォーキングは長く続けています。それに加え最近は、ピラティスをはじめました。リハビリトレーニングが起源のピラティスですが、1時間位時間をかけてゆっくり行うと汗もたくさん出て非常に良いです。それと、深呼吸はするようにしています。色々
ぼやぼやっとしている時、寝起きに深呼吸する事を続けています。昔、空手みたいな事をしていて、呼吸が大事という事を教わって。人間、感情的になる等色々ありますが、深呼吸をすると気持ちも整います。

インタビュアー・ 権五明広報副委員長(京都韓商副会長)

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