内閣府が12日まとめた国民経済計算によると、2005年の日本の1人あたり名目国内総生産(GDP)は経済協力開発機構(OECD)30カ国のなかで14位となり、前年の11位からさらに後退した。円安が進んだうえ、他国の成長率が日本より高かったためだ。
05年の日本の名目GDPは4兆5545億ドルで、世界のGDPに占める比率は前年比0.8ポイント減の10.3%。中国など新興国の成長に押された。1人あたり名目GDPは同1.2%減の3万5650ドル。ユーロ高などの為替要因に加え、デフレの影響が残る日本では名目GDPが伸びにくいことも減少の一因になっている。
ただ長期的にみれば「構造改革の遅れが順位低下の主因」(内閣府)との見方も根強い。日本がトップだった1993年と比較すると、アイルランド、英国、オランダなど改革で先行した国は高い成長率を持続し順位も上がっている。低成長に甘んじれば、日本の順位がさらに低下することになりそうだ