潜在成長率4%…韓国経済の「早老化」現象


企業が投資を削減して経済が萎縮し、韓国経済の潜在成長率が急激に低下、将来の潜在成長率が低下しているという警告が相次いでいる。潜在成長率とは、一国の経済が人為的に物価を刺激せず最大の成長率を達成できる成長能力のことをいう。

現在、1万6290ドル(約187万円、2005年基準)水準の1人当たりの国民所得(GNI)を3万ドルに引き上げるためには、今後10年間5%以上の潜在成長率を維持しなければならないと専門家らはみている。

政府は依然として韓国の潜在成長率を「5%程度」と主張しているが、韓国銀行総裁と民間専門家らは既に4%前半に低下していると推定し、特段の対策を求めている。韓国経済は1990年台には6%台の比較的高い潜在成長率を維持していたものの、2001年から潜在成長率の下落が始まったと韓銀は分析している。人間の体に例えると、30代で50代の体力に早老したという意味だ。

19日李成太(イ・ソンテ)韓銀総裁主催で開かれた「経済動向懇談会」で、玄旿錫(ヒョン・オソク)韓国貿易協会貿易研究所所長は「潜在成長率が急速に低下しているということを肌で実感する程」とし「今後も老齢化が進めば、成長潜在力はさらに落ちる」と話した。同所長は「(潜在成長力回復のためには)特に首都圏の規制緩和などを政府が最優先に行う必要がある」と話した。

チェ・ヨンギ労働研究院院長は「(潜在成長率を高めるためには)女性労働力を活用し、投資を増やす必要がある」とし、全国経済人連合会の河東萬(ハ・ドンマン)専務は「政府が規制緩和に積極的に乗り出すべき」と話した。

これに先立ち、李成太韓銀総裁は12日、金融研究院主催の講演会で「韓国経済の本質的な問題は、潜在成長率が下落しているという事実」とし「個人的には潜在成長率が4%近くまで下落したと考える」と話した。中央銀行総裁が4%前半の潜在成長率を言及したことも、衝撃として受け止められている。

LG経済研究院宋泰政(ソン・テジョン)研究員も「通貨危機以前(1990~1997年)に6.7%水準だった潜在成長率が通貨危機直後4.9%まで低下し、現在は4%台前半になっているようだ」と述べた。サムスン経済研究所は潜在成長率を4.6~4.8%水準に推定した。専門家らは最悪の状態に陥った企業投資を回復させることができなければ、潜在成長率のさらなる下落を阻止することはできないと指摘した。

玄定澤(ヒョン・ジョンテク)韓国開発研究院(KDI)院長は「政府の認許可などで統制している企業参入規制を現在の半分にすれば、潜在成長率が0.5%上昇する」と話した。

また、米国のような経済大国とFTA(自由貿易協定)を通じて市場を開放し、新成長産業を育成すれば、5%台の潜在成長率が維持できると専門家は話す。

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