ウォンに対する円相場が円高に転じ、円建て融資を受けている企業に緊張が走っている。円建て融資は今年に入り、円安ウォン高の後押しで急速に増加した。しかし、最近の為替相場の急変で負債が急速に拡大する恐れが生じている。
国民(クンミン)銀行、ウリ銀行、企業(キオプ)銀行、外換(ウェファン)銀行の4行の円建て融資総額は先月末現在で6890億円となり、昨年末に比べ約1077億円増加した。
円建て資金は主に企業の施設・運転資金として運用されているが、一部で不動産投機などのために便宜上、円建てで融資を受けている例もあり、全体の額を押し上げているとの指摘がある。
新韓(シンハン)銀行のキム・ウンジョン財テクチーム長は「円建て融資の金利は2%と安く、今年に入ってウォン高が急速に進んだため、大人気となった」とし、「しかし今度は円高に転じており、金利メリットより為替リスクのほうが大きい」と話した。
仮に円相場が800ウォンの時点で1250万円(1億ウォン)の融資を受け、円が850ウォンに上昇した状態で返済する場合、元金だけで625万ウォン(約74万円)増えることになる。
先月中旬には100円=800ウォンまでウォン高円安が進んでいたが、11日現在は841ウォン台まで円が買い戻されている。ドル安基調に加え日本経済が本格的な回復局面に入ったことで、円の価値が上昇しているためだ。LG経済研究院のシン・ミンギョン博士は「ウォンに対する円相場はすでに上昇傾向にある」とし、「今後米国の金利引き上げが一段落し、日本の金利が上昇すれば、ウォン安円高が本格化する可能性がある」と話した。