インドのメディアは最近、現代自動車のイム・フンス・インド法人責任者と行ったインタビューで「現代がインドの現地工場で生産した3500ドル(約36万7000円)の超低価格車を、2011年からインドとその周辺国で販売する」と明らかにした。
イム法人責任者は「世界で最も安いインドのタタ自動車の『ナノ』と真っ向から勝負するつもりはない」とはしているものの、3500ドルの車を作るということは、すでにナノの市場まで見込んでのことと解釈されている。タタ自動車は今年1月に2500ドル(約26万2000円)の世界で最も安い自動車「ナノ」を発売し、注目を集めた。
現代が発売する予定の超低価格車は、当社が現在インドで販売している低価格モデル「サントロ」(約72万円)の約半額だ。
イム法人責任者は「超低価格車については、インドですべてを生産していく方針だが、現代の南陽研究所でも現在、開発を進めており、輸出も行っていく予定」と付け足した。
同車種について、現代自動車の関係者は「設計段階からコスト削減にすべての焦点を合わせてきたが、タタの『ナノ』に比べて品質や性能面では、はるかに優れている」と話している。
これにより、2011年頃にはインドで世界中の自動車メーカーが「超低価格車」の販売をめぐり激しい競争を繰り広げることが予想される。現代やタタ自動車以外にも、ルノー・日産とインドの自動車メーカー「バジャイ・オート」が共同開発している2500ドルの超低価格車が2011年をめどに登場する予定だ。
さらに、トヨタやフォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズ(GM)も超低価格車をインドで生産していく見込みで、インド自動車メーカー最大手のマルティも30万円台の低価格車の開発に取り組んでいる。