会員企業紹介#6「大館バイオマス株式会社(鄭仁洙秋田会長)」

鄭仁洙(チョン・インス)(56歳)

大館バイオマス株式会社 代表取締役 

秋田韓国商工会議所 会長

 

「バイオマス発電を通じて地域経済発展に貢献を」

玄剛)経営されております、会社の設立経緯等についてお聞かせ下さい。

鄭仁洙)現在、遊技業関連の有限会社大都、太陽光関連の陽光株式会社、そして、今最も力を入れているバイオマス発電関連の大館バイオ株式会社の経営に加え、父が創業した北秋容器株式会社の経営にも携わっています。

玄剛)お父様は秋田韓商の歴代会長で、現在も当会議所の顧問を務めていただいております、鄭源生顧問ですね。

鄭仁洙)はい。現在91歳になりますが、今も元気に仕事をしていて、励みになります。

玄剛)先程、バイオマス発電事業の会社もされているとの事でした。在日社会では、あまり耳にした事がない事業と認識しています。事業内容を詳しくお聞かせ下さい。

鄭仁洙)きっかけは、前述した北秋容器株式会社にあります。北秋容器では、空き瓶回収販売やガラスリサイクル等を行っていて、環境問題を重要なテーマに掲げ、循環型社会の構築に取り組んでいます。北秋容器事業の中で、遊休地で手掛けている太陽光発電事業、そして間伐材を原料とした木質チップの製造販売をしていた事等が参入のきっかけでした。

玄剛)発電事業となりますと、投資額も多額になると思います。

鄭仁洙)木質バイオマス発電所の事業費が約24億円になります。秋田県信用組合、秋田信用金庫、羽後信用金庫の3つの金融機関から建設資金を協調融資していただきました。投資額は大きいですが、世界的な再生エネルギーへの期待も大きく、発電事業の可能性を感じています。また、地域社会への貢献も重要視しています。燃料の元となる木材は、今まで山林に放置されていた原木を主に利用しますが、多くは地域の各森林組合や素材生産者などから購入します。また。地域内での新規雇用も生まれます。地域経済の発展に事業を通じて貢献していきたい思いは強いです。

玄剛)売上目標などはどれくらいをお考えですか。

鄭仁洙)年間で約6億円の売り上げを見込んでいます。発電出力は最大約1990キロワットで、固定価格買い取り制度で20年間、東北電力の子会社、東北電力ネットワークに売電する計画です。

鄭仁洙秋田会長(写真右)と玄剛広報委員長

 

「韓国から日本へ、そして東南アジアへ」

玄剛)遊技関連からリサイクル、エネルギーと事業の幅が多岐に渡りますが、今後の事業展開等もお聞かせ下さい。

鄭仁洙)父が一世として韓国から日本に来て商売を始めました。私もいずれは海外に出て商売をしてみたいと考えています

玄剛)具体的に考えている地域はありますか?

鄭仁洙)東南アジアです。現在も伸びていますが、これから更に伸びるとみています。秋田韓商の中タイで事業をしている役員もいて、非常に可能性を感じています。

玄剛)東南アジアでは具体的にどの様な事業を考えていますか?

鄭仁洙)まだ具体的な内容までには至っていませんが、投資事業や飲食事業などでしょうか。私は日本の食が世界で一番美味しいと考えています。和食はもちろん、果物、うどん、ラーメン等、日本の食は世界最高峰だと思います。フィリピンやタイに仕事で行く事がありますが、日本食の人気は凄まじいです。東南アジアは人口も経済も右肩上がりですし、非常にパワフルです。在日韓商で東南アジアの経済視察等やっていただいたら、面白いと思います。私自身、東南アジアは16年ぐらい前にタイに行ったのが初めてでした。それまでは関心はなかったのですが、先輩に誘われて実際に行ってみて考えが変わりました。やはり現地で体感する事が大事だと思います。

インタビューの様子

大館バイオマス株式会社の工場の様子

 

「喜びを感じてもらえるような会に」

玄剛)先程、在日韓商の話が出ましたが、鄭仁洙会長が韓商と関わりをもつキッカケはどの様な事がありましたか。

鄭仁洙)秋田韓商の直前会長で、今在日韓商の監事をされています、申均三さんとの出会いです。私の父が秋田韓商の会長をしている時、申均三さんが副会長をされていまして、その後、申均三さんが秋田韓商の会長に就任され、私がその次の会長に指名されました。

玄剛)秋田韓商、そして在日韓商での活動はいかがですか?

鄭仁洙)秋田韓商に入った方たちが、「入って良かった」と感じてもらえる様な会にしていきたいです。商売はもちろん、遊びの面でも良いと思います。皆さんそれぞれ異なる目的を持って入ってきていると思いますが、何か一つでも「入って良かった」と思ってもらいたい。それを組織運営する中で考えています。

玄剛)事業、そして組織運営を座右の銘や心がけてる言葉とかってなんか。

鄭仁洙)今考えてみて思い浮かんだ言葉は、「時は金なり」です。時間だけは誰にでも平等で、限りがあると。それを意識すると、例えば同じ1時間仕事をするにしても、一生懸命やろうという気持ちになります。遊ぶにしても、この1時間をしっかり楽しもうと。そうしていくうちに、自然とダラダラ怠けるというのがなくなっていきました。時間は本当にかけがえのないものです。

玄剛)それだけ時間を有意義に使おうと思うと忙しくなり、ストレスも貯まると思います。何かストレス発散方法等ありましたら、お聞かせ下さい。

鄭仁洙)月並みですがゴルフと旅行です。

玄剛広報委員長

大館バイオ発電所 竣工式祝賀会で挨拶する鄭仁洙秋田会長

 

木質チップなど材料になる木材①

 

木質チップなど材料になる木材②

 

木質チップなど材料になる木材③

インタビュアー・玄剛広報委員長(宮城韓商会長)

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