中国進出韓国企業の3割近くが撤退を検討

10年前に中国山東省青島市に進出した衣料メーカーS社は、最近の賃金上昇に加え、今年から施行された労働契約法により人件費負担が増えた。同社関係者は「従業員が退職する際に補償金を支給しなければならない上、最低賃金を20%引き上げ、保険への強制加入などで人件費が昨年に比べ30-40%増加した」と嘆いた。

大韓商工会議所は20日、中国韓国商会加盟350社を対象に実施した経営環境実態調査の結果を明らかにした。それによると、回答企業の25%が「中国での事業清算を真剣に検討したことがある」、3.1%が「現在清算準備を進めている」と答えた。双方を合わせると10社に3社が撤退を考えていることになる。

また、85.5%の企業が「中国の企業環境が今後悪化する」と答え、「変化はないと思う」(10.3%)、「好転する」(3.9%)との回答を大きく上回った。昨年3月に実施した同調査で、企業環境の悪化を予測した企業が33.1%だったのに比べ、わずか1年間で悲観的な見通しが急速に広がったことになる。

中国に進出する韓国企業の経営活動で最も困難な点については、43.1%が労務管理を挙げ、法規や制度の変更(21.4%)、内需市場開拓(13.3%)、資金調達(10.5%)、税制(6.1%)などが続いた。

上海韓国商会のチョン・ヨンジン事務局長は「企業所得税の引き上げ、加工貿易禁止品目の拡大、労働契約法の施行、土地使用税の徴収など中国進出企業は困難に直面している。最近は人民元切り上げ圧力も加わり、進退窮まっているのが現状だ」と述べた。

また、進出企業の無断撤退が問題となる中、会社清算時の問題点として、複雑な清算手続き(56.7%)、過去にさかのぼって土地使用料や減免された税金の納付を求められる(18.7%)、地方政府の非協力的態度(14.7%)、債務償還(3.3%)、賃金未払い(2.0%)などが挙げられた。しかし、経営環境の悪化や競争激化にもかかわらず、進出企業の70%は中国でのビジネスを継続、発展させていく考えだ。

大韓商工会議所の関係者は「経営環境の悪化で撤収まで考えている企業が増えているが、大多数の進出企業は依然として中国での事業継続を望んでおり、内需市場の拡大や業種転換など、中長期的な政府、関係機関の経営支援策が必要だ」と指摘した。

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