輸入農産物の原産地偽装、ますます巧妙に

煮物やあえ物としてよく食べているゴボウの価格は、中国産が1キロ当たり450ウォン(約51円)、韓国産が同1800ウォン(約206円)だ。中国産を韓国産と偽って売れば、4倍の売り上げになる。韓国産ゴボウはひげ根や土が多いのに比べ、中国産は検疫前に土を洗い流し、ひげ根を切り払う。

ゴボウの輸入・販売業者A氏は最近、「変わり身の術」を見つけ出した。中国産ゴボウにひげ根が生えるようにする薬品を塗り、15日間土に埋めておく。ひげ根があり土の付いたままの韓国産ゴボウと寸分違わぬものを、ビニールハウスの中で作るというわけだ。A氏はこうしたやり方で栽培したゴボウを韓国産と偽って販売し1350万ウォン(約154万円)を手にしたが、先月農産物品質管理院(以下、農管院)に摘発された。

ゴボウのひげ根・土の有無で韓国産か輸入品かを区分するやり方は、こうしたA氏の新しい手法のため、もはや信じることはできなくなった。このように各種農・水・畜産物の原産地を巧みに偽る手法が飛び交い、消費者の被害が増えている。農管院の主務官は、「新しい原産地偽装手段が、平均して3カ月単位で生まれている。主に小売りの段階で行われる原産地偽装は、一般消費者が肉眼で見分けにくい場合が多い」と語った。

昨年、原産地表示に違反したとして最も多く摘発されたのは豚肉(摘発総数4374件中717件)だ。豚バラ肉では「挟み込み」という手口がよく使われる。豚バラを並べるとき、上に韓国産を乗せ、下に輸入肉を挟み込むやり方だ。韓国産はバラの端の部分にロースが少し付いており、切断面が滑らかでない場合が多い。巧妙に「挟み込み」を行えば、こうした識別法を知っている消費者でもだまされてしまう。また冷凍輸入肉の場合、赤みが保たれるように解凍した後、冷蔵韓国産肉と偽って売ることもある。

農・水・畜産物の原産地を偽る別な方法としては、輸入品を韓国産向けの包装容器に入れて売る「袋変え」、同じ国内産でも消費者が好む生産地域を原産地として表示する「有名産地詐称」などの手口がよく使われる。さらに、輸入米でもちやキムパプ(のり巻き)を作り韓国産と偽って販売していた事例も摘発された。

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