シャープの液晶パネル新工場は堺市 09年量産化目指す

シャープは大型テレビ向け液晶パネルの新工場を堺市に建設する。
8月にも着工し、09年中の量産化を目指す。投資額は数千億円規模で、液晶パネル工場として世界最大となる。

縦横3メートルのガラス基板から、40~60型の大型テレビ向けのパネルを効率生産。付加価値の高い商品を量産し、激しい価格競争を勝ち抜く戦略だ。同社の大型液晶テレビ向けパネルの製造工場は、亀山工場(三重県亀山市)に次ぎ2カ所目となる。

新工場は、亀山で使っている世界最大のガラス基板「第8世代」(縦2.46メートル、横2.16メートル)よりさらに大きい、「第10世代」(縦横約3メートル)と呼ばれるガラスを使う。1枚から一度に切り出せる画面数は、亀山に比べ、40型台で4~6枚分、50型台で2枚分増える。単価の高い大型画面の生産効率を上げ、コスト力で差をつける。

海水を空調に使ったり、製品を陸送だけでなく、海上から関西空港へ輸送し二酸化炭素削減を図ったりする環境対策も検討している。

薄型テレビ業界では、韓国・サムスン電子が今夏にも「第8世代」工場を新たに操業する。液晶と覇権を争うプラズマテレビ陣営では、松下電器産業が、兵庫県尼崎市に新工場建設を決めるなど、世界的な需要の拡大にあわせ、各メーカーとも大規模な設備投資を続けている。

シャープも、より大型で高機能な液晶テレビ向けの生産体制を整えることで、ライバルメーカーに先行してシェア拡大を目指す。

建設地は、堺市臨海部にある新日本製鉄の跡地約100ヘクタール。予定地は当初、兵庫県姫路市が有力視されていた。しかし、大阪市の本社や奈良県天理市の研究拠点とのアクセスがよいことや、土地取得などにかかる費用が総合的に姫路よりも安いことなどが決め手となり、堺に軍配が上がった。

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