東芝、NECエレ、富士通が最先端半導体を共同開発

東芝、NECエレクトロニクス、富士通の半導体大手3社は薄型テレビなどのデジタル家電に使うシステムLSI(大規模集積回路)の製造技術を共同開発することで基本合意した。

2010年にも量産する最先端製品が対象で、1000億円以上かかるとされる開発負担を軽減する狙い。3社が共同開発を進める製品は、半導体回路線の幅が32nm(1nmは10億分の1m)の最先端製品。

東芝とNECエレクトロニクスは既に65nm製品に引き続き、45nm製品の技術を共同開発しており、今回富士通が新しく加わったこととなる。今年の秋から各社から数十人の技術者を集め、半導体回路を設計するための具体的な技術開発に着手し、2年間の開発期間を経て量産体制を構築する方針だ。

さらに3社は開発した技術を使うシステムLSIの生産を統合する交渉も進めている。日本の3社で連合を組み、世界首位の米インテルや同2位の韓国サムスン電子などに対抗する。

2年程度ごとに技術革新が進む半導体では開発費や設備投資もその都度膨らんでいくため、売り上げ規模で海外大手に差を付けられた日本勢が生き残るのは難しくなるとの見方が強まっている。

東芝の半導体売上高は世界4位、NECエレクトロニクスは11位、富士通は27位にとどまるが、3社連合を組むことでサムスン電子に匹敵する規模を確保できる。

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