「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは５日、米高級衣料専門店バーニーズ・ニューヨークの全株式を約１１００億円で買収することをバーニーズの親会社の米衣料メーカー、ジョーンズ・アパレル・グループに提案したと発表した。ジョーンズ社は、買収提案を真摯（しんし）に検討する意向を示しているという。

ジョーンズ社は６月２２日、アラブ首長国連邦政府が出資する投資ファンド、イスティスマルにバーニーズの全株を１０００億円で売却することで合意。ただ、７月２２日まで第三者からの買収提案を受け付ける期間が設定されていた。

ファーストリテイリングは、カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開し急成長。一時は売り上げ不振に陥ったが、高級ブランドにも手を伸ばし、国内外で３０００億円以上の企業買収に乗り出す方針を示している。

バーニーズ・ニューヨークは１９２３年創業の高級衣料専門店で全米３４店舗を展開。ファーストリテイリングは世界的なブランド力を持つ同社を買収し、海外展開や高級路線の拡大を図る狙いとみられる。

日本では伊勢丹がバーニーズ・ジャパンを運営していたが昨年、住友商事などに運営会社を売却。今回の買収とは関係ない。