トヨタ自動車は22日の株主総会後の取締役会で、次期社長の有力候補とされる豊田章男副社長(51)を国内販売担当に充てることを決める。
豊田章一郎名誉会長の長男である章男氏の起用。日本の企業として初めて営業利益2兆円超えを達成する半面、国内販売の低迷が今後の課題となっている同社は、この人事を国内市場での巻き返しの切り札としたい考えだ。
トヨタは07年3月期の販売台数が852万台と過去最高を記録した。08年3月期の販売目標は889万台に設定するなど、世界一のゼネラル・モーターズを今年中に追い抜くのは確実。
一方で、国内市場は前年度比3.9%減の227万台と2年連続で減少するなど低迷が続いている。
章男氏がこの難題に取り組むことで社内外の求心力を高める一方、章男氏の経験の幅を広げ、95年以来の創業家出身社長の誕生に向けた基礎固めを図る狙いもあるとみられる。
章男氏は84年入社。00年に取締役、05年から副社長を務め、現在は情報事業、調達などの分野を担当している。昨年6月にリコールが続出した際は品質保証本部担当を兼務し、組織の引き締めに力を尽くした。