IMF経済危機の経験から10年、韓国経済にまた経済危機が迫って来ているという主張が提起された。
朴・ヨンチョルソウル大学国際大学院教授と李・チャンヨンソウル大学経済学部教授は、 11日開かれた韓国経済学会の学術大会で “10年前の経済危機が内部要因によって始まったとすれば、新しい危機の震源地はアメリカと東アジアにある”とアメリカの貿易赤字によるグローバル不均衡を新しい経済危機の原因として指摘した。
アメリカは1兆ドルに近い貿易赤字を短期国債発行でカバーしているし、中国などの東アジアの国々は貿易黒字でドルを買い、蓄積している。また日本など先進国は景気浮揚策として低金利政策を維持しており、世界経済は流動性の洪水を迎えているというのが、彼らの診断だ。
全世界的に住宅、土地、商業用建物、株式などの資産価格が急騰しており、中国を含めた東アジア経済の不動産市場はバブル現象さえ見えている。
朴教授らは “これまで数年間の世界経済不均衡は風船のように脹らんできており、アメリカの経常収支赤字拡大によるグローバル経済の不均衡がもっと深化すると世界経済は不況と金融市場崩壊の大混乱に陥る可能性が高い”と警告した。
この日経済学会の学術大会では、政府の不動産規制に対する批判も多くみられた。
金・ギョンファン西江大教授は “政府の過度な市場介入が不動産の価格安定に寄与できず、国民の住居水準向上を難しくし、むしろ両極化を深化させた”とし、”分譲価格規制及び原価公開、再建築規制など住宅供給に関する各種規制を合理的に改善しなければならない”と指摘した。
また金教授は “江南地域の価格上昇が他地域住宅価格上昇の原因という政府の認識は理論的に立証されなかったし、住宅保有税の強化も租税負担能力を考慮せず、納税者に無理な負担を強要している”と指摘した。
韓国経済が再び危機に陥った場合、もうこれ以上政府による財政政策は駆使することはできない、との指摘も提起された。
李・チャンヨンソウル大学経済学部教授は “現在韓国の債務規模が低い水準ではなく、もう財政の健全な国とは言えない状態だ。再び経済危機に陥った場合、1998年とは違って積極的な財政政策を通じての危機克服の可能性は無くなった事を示唆する”と指摘した。