インドがここ18年間で最高となる8.9%の経済成長率を記録し、中国や日本に続きアジアの3大経済大国(GDP(国内総生産)基準)として浮上するとの見通しが示されている。
国際通貨基金(IMF)は8日、「インドは好況に支えられ、前会計年度(2006年4月~07.3)に8.9%の経済成長率を記録するだろう」と明らかにした。
こうなれば、インドのGDPは8400億ドル(約101兆6400億円)となり、成長率を5%と過程した際の韓国の昨年の推定値8269億ドル(約100兆5490億円)を上回ることになる。
ところが、インドは昨年まで韓国より1ランク低い第12位だった。また、ブリックスの一角を占めるロシアも、石油市場の好況などで昨年のGDPが7633億ドル(約92兆3593億円)から9750億ドル(約117兆9750億円)へと急増し韓国を追い抜くだろう、とIMFは予想した。
これまで韓国(7800億ドル=約94兆3800億円)は、GDP基準(05年のIMF集計)でブラジル(7950億ドル=約96兆1950億円)、インド(7700億ドル=約93兆1700億円)、メキシコ(7600億ドル=約91兆9600億円)とともに10位圏を形成してきたものの、すでにロシアとインドが急成長してきたことで、世界第12位にまでランクを落とすことになった。
一方、インド中央統計機構(CSO)も同日、「06会計年度のインドのGDPが前年比9.2%増の8540億ドル(約103兆3340億円)に上る見込み」とし、IMFよりやや高めの成長率予想値をはじき出した。
インドが高度成長してきた背景には、ソフトウエアなどのサービス産業が好調さを維持していることや、これまでやや低迷してきた製造業の生産増加率が昨年の9.1%から今年は11.3%へと上昇してきたことなどが作用している、と分析されている。
しかし、同時にインド経済の景気過熱とインフレーションに対する懸念も高まっている。
エコノミスト誌は最新号で「インドは、長期成長を裏付ける公共部門の改革やインフラ(道路や電気などの社会間接施設)への投資が十分ではない状況で高度成長が続いたために、物価上昇率(6%)がすでに中国(2.8%)の2倍以上となっている。景気過熱がともすればハードランディングにつながる恐れもある」と指摘した。