円安がG7で議題に

9日からドイツで開催される先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で円安が主な議題となる見通しとなった。

2日の外国為替市場では1ドル121円台、1ユーロ157円台の円安となった。この影響で自動車や機械などで日本と競合するドイツなどのヨーロッパ諸国が最も大きな打撃を受けている。

G7のホスト国であるドイツのシュタインブリュック財務相は先月30日、「G7で円安問題を議論する」と語った。ルクセンブルクのユンカー首相も前日に欧州連合(EU)財務相会議後に「昨年はユーロの価値が円に対して10%も上昇し、ユーロ圏で不安が広がっている。G7で円安を集中的に議論する」と述べている。

円安はわずか0.25%の日本の超低金利のためだ。国際的な投機資金も金利が低い円からより高金利の通貨に移動し、1985年のプラザ合意(米国の貿易赤字改善のため、ニューヨークのプラザホテルで開催されたG5財務相会議での円とドイツマルク切り上げの合意)以来、円は現在のところ最も安い水準となっている。

しかし日本政府は「今回のG7で円安が議題となっても、具体的な行動を示す議長声明は阻止する」姿勢だと日本のマスコミが4日付で報じた。日本銀行は「金利は経済と物価を考慮して決定するだけだ」との立場であり、日本政府としても好景気が続き消費が上向いてくれば、国内のデフレ状況をインフレに落ち着かせるためにも低金利の維持が必要だとの立場だ。

ブッシュ政権も現時点では円安を容認する雰囲気だ。ポールソン米財務長官は先週の円安について「注視している」とはしながらも、「開かれた市場で、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に基づいて決定されている」との認識を示した。

求人・就職