円安基調に反転の兆しが見えない。 20日、ウォンは対円で前週末比0.41ウォン値下がりした100円=792.91ウォンで取引を終えたが、依然としてウォン高円安が続いている。 9年ぶりのウォン高円安水準で、特に輸出業者が窮地に追い込まれている。 ウォン・ドル為替レートも前週後半、また1ドル=940ウォン割れとなった。 これを受け、金融監督当局は都市銀の日本円貸出実態点検に乗り出した。
◆100円=700ウォン台継続=外換(ウェファン)銀行のク・キルモ外国為替運用チーム長は「年末までウォン・円レートは800ウォン割れで推移すると予想される」と予想した。 ウリ銀行のイ・ジョンウク外国為替ディーラーは「日本の低金利で円キャリー資金の国内流入が続く半面、韓国ウォンは企業の短期海外借入が増加しており、当面はウォン高円安が避けられない」と観測した。 ウォン高ドル安も当分続く見込みだ。 この日、ウォンは前週末3.6ウォン値上がりした1ドル=935.3ウォンで取引を終えた。
◆円安に苦しむ企業=ウォン高円安のため、日本市場で中国業者などと競合する中小輸出企業がすでに限界状況に追い込まれた状態だ。 紙コップメーカーなど相当数の対日輸出業者が輸出を中断したり、最大80%以上輸出量が急減したりしている。 貿易協会傘下・貿易研究所のシン・スングァン博士は「自動車・家電など海外市場で日本と競合する国内大企業も近い将来、円安の影響に巻き込まれるだろう」と憂慮を表した。
こうした中、急増する日本円貸出が円安を後押ししており、借入者の為替差損リスクも高まっている。 これを受け、韓国銀行(韓銀)と金融監督院(金監院)は日本円貸出が多い銀行界を中心に貸出実態調査を始めることにした。 韓銀関係者は「最近の日本円貸出は増加速度や規模面で憂慮するほどの水準」とし「一部の資金は不動産市場などに転用される疑いもある」と指摘した。
◆リスクも=今年に入って日本円貸出は増え続けている。 17日現在、企業・新韓・ハナ・ウリ・国民の5銀行の日本円貸出規模は1兆1442億円で、先月末に比べて30億円(約230億ウォン)増えた。 これは1月末(7529億円)に比べて53%ほど増えている。
都市銀関係者は「日本円貸出金利が韓国ウォン貸出に比べて3分の1にすぎない2%台であるうえ、円安で為替差益も期待でき、貸出需要が膨らんでいる」と伝えた。 しかし専門家らは「日本円貸出の場合、変動性が大きいうえ、最近の過度な円安にともなう反発もありうるため、新規で貸出を受ける場合は為替差損も考えられる」と警告した。
一方、日本財務省の渡辺博史財務官は日本経済の強度がさらなる円安を容認しないはずだと明らかにしたと、ブルームバーグ通信が20日報じた。 渡辺財務官はこの日、オーストラリア・シドニーで行った記者会見で、「さらなる円安の招く国内的要因はない」と語った。