北朝鮮の核実験による危機的状況が長期化すれば、来年の成長率が3%台に下落する可能性があるという主張が提起された。
現代経済研究院は22日、「2007年度の経済展望と政策の方向」という報告書で、「来年韓国経済は内憂外患の経済問題に直面し、景気沈滞の様相がさらに深刻化するだろう」との見通しを示した。
現代経済研究院は、 北朝鮮の核問題が悪化しないという前提の下、 来年の年間経済成長率は4.2%を記録するだろうと見通した。しかし、韓半島(朝鮮半島)の危機的状況が長期化または、悪化した場合、成長率が3%台に下落する可能性も排除することができないと警告した。
設備投資増加率は4%台という不振に陥るものと予想した。ただし、建設投資が1%内外の増加率で小幅反騰するものと見ている。
設備投資の不振などにより、今年3.5%だった失業率が来年3.7%に悪化し、消費者物価上昇率は2.8%から3.0%になり、上昇率が大幅に高まるものと見られる。
来年の輸出増加率は9.2%という予想で、一桁(けた)台に落ち、輸入も11.3%で今年(15.6%)より鈍化するものと予想される。
したがって、経常収支は30億ドル(約3560億円)の赤字を記録、98年の通貨危機以降、10年ぶりに赤字に転落する見通しだ。韓国開発研究院(KDI)も、来年の経常収支を14億ドル(約1662億円)の赤字と予想している。
こうした見通しは、今年平均約960ウォン(約119円)だったドル・ウォンレートが来年940ウォン(約116円)までウォン高が進み、国債原油価格(ドバイ基準)が今年の60ドル(約7100円)と同等か少し高い水準を持続するという前提の下、提示したものだ。
現代経済研究院のユ・ビョンギュ経済本部長は「来年の韓国経済は、2003年以降5年連続で世界の平均経済成長率を下回る長期低成長の局面から脱することができないもよう。景気拡張的金利・財政政策と企業投資の活性化、建設景気回復のための政策が必要だ」と主張した。