「円安発輸出不振」で韓国経済界が悲鳴(上)
今月2日の午前中、ソウル外為市場で円・ウォン為替レートが100円=800ウォンを割ったが、800.93ウォン(午後3時基準)で取引を終え、800ウォンのラインを何とか守り抜いた。
新韓銀行のパク・ジェイル資金市場部次長は「韓国政府当局が積極的に為替防衛をしなければ、今月中に700ウォン台に下落する可能性が高い」と語った。すなわち「100円=700ウォン台時代」が到来するという話だ。
経済界では「円安発輸出不振」を訴える悲鳴が出始めている。現代証券のアナリストであるソン・サンフン氏は「為替レートが100円=830ウォンだったころ、韓国製品は日本製品よりも価格競争力で10%程度優勢だったが、為替レートが700ウォン台に下落すれば価格競争力が完全に相殺される」と指摘した。
◆円だけが下落
円・ウォン為替レートはドルを媒介として動いているが、最近円とウォンはドルに対して反対方向に動くデカップリング(非同調化)現象が深刻になっている。日本円の価値は低金利の持続と景気回復の足踏みなどにより、21年ぶりに最低に下落した一方、ウォンは秋夕(チュソク、韓国の旧盆)用資金などで企業需要が増加し、依然として上昇傾向を見せている。
外換銀行のク・ギルモ外貨運用チームアナリストは「全般的な動向は、ウォンがドルより強く、ドルは円より強い形勢」と評した。実際に、ドル・ウォン為替レートは約2カ月ぶりに再び1ドル=940ウォン台に下落し、ドル・円為替レートは約5カ月ぶりに1ドル=118円台を回復している。
専門家らは、ウォン高よりも円安の現象がさらに著しいと指摘している。日銀(BOJ)によると、円の実質的な取引価値を意味する「月間取引加重指数」が今年8月には102.6を記録し、1985年10月の最低値(102.2)以来、21年ぶりに最も低い水準となった。
これは、安倍政権が発足し、経済活性化のため低金利基調の維持へ方向を旋回すると見られている上、低金利の日本資金を借りて海外の高金利国家の資産に投資するいわゆる「円キャリー資金」が急増し、円供給を増やしているからだ。