韓日両政府の「ビジョン2030」


韓国政府が先月「ビジョン2030」という長期目標を発表したが、日本も昨年4月に似たような名称の国家ビジョンを打ち出している。名称だけではなく、中長期的観点から国家戦略をまとめている点などが似ている。

しかし、その内容には大きな差が見られ、日本が「小さな政府」と「自立型福祉」を打ち出している一方、韓国は「大きな政府」と「施恵的福祉」を目指していることが分析の結果、分かった。

現代経済研究所は10日、「韓日間のビジョン2030の違いと示唆点」と題する報告書で、「両国の“ビジョン2030”は、低出産、高齢化、世界化など内外に共通する環境変化に対応するために打ち出された長期戦略という点で、誕生した背景が似ているが、目標、戦略、福祉、財政、教育などの側面からは大きな違いが見られる」と明らかにした。

日本は昨年4月、▲開放された文化創造国家の建設 ▲健康寿命80歳 ▲民間主導の豊かな国営企業と小さな政府、という目標の下、「日本の21世紀ビジョン2030」を発表している。

研究所は「韓国の“ビジョン2030”は福祉政策の増加で1100兆ウォン(約134兆円/国債を発行する場合は1600兆ウォン)の財政が必要となる“大きな政府”を目指しているが、日本は財政をスリム化する“小さくて効率的な政府”を目指している」と話した。

日本は、次世代に負担を掛けないという目標の下、公共サービスのうちほとんどのものを企業など民間に移し、財政収支を2010年代初めから黒字に転換するという計画を打ち出した。日本の“ビジョン2030”には、社会福祉における政府支出への依存が続けば、(中略)結局財政破たんによる経済危機を免れなくなるということが明記されている。

一方、福祉政策でも、韓国は基礎生活保障制度、給与体系の改善、アルバイト生をめぐる対策など一方的に恩恵を施す「恩恵授与的福祉対策」が大部分を占めているのに対して、日本は高齢者の自営業への連携モデルの樹立、高齢者の年金制度や税制の整備など、高齢者中心の「自立支援型」政策が中心となっている、というのが研究所の分析だ。

また、教育政策でも、韓国は学制の改正や大学評価制度の革新など供給者中心の政策である一方、日本は外国語学習の拡大など需要者中心の教育政策が目立つ、と報告書では分析されている。

成長戦略においても、韓国はサービス業の競争力強化など特定産業を育成する後進国型の「投入依存型」成長パラダイム(枠組み)を提示しているのに対して、日本は人材育成と技術革新を通じた生産性の向上という「効率向上型」の戦略を採択しているといった違いが見られるという。

現代経済研究所のユ・ビョンギュ経済本部長は「両国の経済発展段階が違うため、戦略に差が出て当然」としながらも、「小さな政府や民間主導型の経済を目指す日本の戦略を韓国の“ビジョン2030”にも反映し、修正・補正を行う必要がある」と話している。

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