与謝野馨経済財政担当相は18日の閣議に2006年度の年次経済財政報告書(経済財政白書)を提出した。白書は日本経済が「デフレ脱却に向けた着実な進展が続く」と長く苦しんだデフレからの脱却が近いと評価。4年を超えた景気回復は消費を中心に民需主導で足腰が強まっているとの認識を示した。また格差問題に関しては、若年層における所得の差の開きに警鐘を鳴らした。
与謝野経財相は白書の冒頭で「日本は平時の経済に復帰しつつある」と宣言。昨年の白書では竹中平蔵総務相が「デフレが緩やかながら継続」との見方を示していたが、「デフレ」の言葉をあえて使わず回復ぶりを強調した。
白書は2002年2月から始まった今の景気回復(6月で53カ月)が戦後平均の拡張期間である33カ月を大きく上回ると指摘した。四半期でみた経済成長率は物価変動の影響を除いた実質で平均2.5%と高い水準で推移。企業部門がリストラで回復し、家計の消費に力強さが加わったことが背景にあるとした。