韓国旅行の手引き 「ソウルナビ」の馮社長


【写真】ソウルナビのホームページ
http://www.seoulnavi.com/

ソウルを訪れる日本人観光客やソウル在住の日本人にとってなくてはならない情報サイトとして知られる「ソウルナビ」は、韓国旅行情報サイトの先駆けの一つだ。競争の激化など厳しい事業環境が続く中、行き方を写真入りで分かりやすく解説するなどきめ細かい情報を掲載している。同サイトの馮熙燮(プン・ヒソプ)社長(45)はサムスン電子の元営業マン。未踏の地に入り、同サイトを代表的な韓国旅行情報サイトに成長させた。

ソウルナビは韓国にITベンチャーブームが到来した2000年にサービスを開始した。「サムスンの社長になりたかった」という馮社長は同期に誘われたことをきっかけに、利用者から信頼されるサイトを立ち上げることを決意した。当時は韓国の旅行事情を紹介するサイトがなく、日本人観光客は旅行代理店の情報などに頼るしかなかった。「日本人観光客に幅広い選択肢を提供したかったのです」と話す。

同社のスタッフは韓国人と日本人がほぼ半々という。スタッフはサイトに掲載するホテルや店などに直接足を運ぶことにしている。馮社長自らも内々に店を訪れるなど、利用者からの信頼を高めるよう努めている。

昨年、韓国を訪れた日本人観光客数は前年比6.7%増の351万人となった。10年前の2002年(232万人)に比べると51%増えている。ただ日本人客の増加に伴い、エステやグルメなど韓国旅行の情報を提供するサイトが乱立。中には不正確な情報を流すところも少なくなく、業界では自省を促す声も出ている。

韓国観光を取り巻く環境も厳しい。韓国の日本人向け観光業界は円安や外交問題、世界的な不況に北朝鮮問題も重なり、過去最悪の状況となっている。馮社長は「こういう時だからこそサイトの充実化を図りながら、一歩ずつ前に進んでいくことが大事だと思います」と強調した。

日本人観光客にお勧めの韓国文化体験を尋ねると、垢すりや「ナンタ」「ジャンプ」などロングランを続けている韓国オリジナル公演、プルゴギ、ビビンバ、カルビなど「本場の味」を挙げた。「韓国はダイナミックで面白い国です。日本とはまた違う魅力があるので、ぜひ韓国にいらして体験してみてください」と呼びかけた。

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