全日本空輸は27日までに、米ボーイングの最新鋭機787の運航停止に伴い、3月31日~5月31日に仁川-名古屋、仁川-大阪線の運航を一時停止すると発表した。
787型機はバッテリー火災などのトラブルが相次ぎ、米連邦航空局(FAA)から運航停止の命令を受けた。韓国路線には787型機が就航していないが、同機を投入した米国線などの空白を埋めるため、韓国路線の航空機を再配置した。全日空は世界で最も多い17機の787を保有している。
5月以降も運航が再開できるかどうかは不透明だ。格安航空会社(LCC)の成長などにより、大手航空会社が韓国線など短距離路線で以前のように収益を上げるのは難しくなっている。全日空系のLCC、エアアジア・ジャパンは昨年10月に仁川-成田、11月に釜山-成田線を就航させたのに続き、今年4月は仁川-名古屋線を新設する。系列のLCCに短距離路線を運航させ、自社は収益性の高い路線に集中する可能性があるとの見方も出ている。
エアアジア・ジャパンの小田切義憲社長は韓国線の増便や新規路線の開設など、投資を拡大する方針を示した。韓国と日本を結ぶ航空市場は両国のLCCを中心に再編される公算が大きくなった