日本の同化教育に焦点 演劇「国語の時間」東京で上演


日本植民地時代の1940年代を背景に、日本語を「国語」として教える韓国人教師らの生き様を描いた演劇「国語の時間」が、22日から28日まで東京・杉並区の「座・高円寺」で上演される。

小里清の戯曲を劇団「風琴工房」の詩森ろばが演出。加藤虎ノ介、中村ゆり、松田洋治ら、出演俳優も全て日本人だ。

舞台は京城(現ソウル)のある小学校。日本の言語政策に異議を唱える一人の人物を中心に、日本語を国語として教えなければならない韓国人教師らの悲しみと、彼らを追い込んでいく同化教育に焦点を当てる。

その人物とは、1923年9月1日の関東大震災直後に逮捕・拘禁された抗日独立運動家、朴烈(パク・ヨル)。在日本朝鮮居留民団(民団、現在の在日本大韓民国民団)の初代団長を務めたことでも知られる。

小里氏は朴をモデルに初の戯曲を書き、教師生活などの実体験を基に3回にわたり原稿を書き直した。同氏は21日、民団新聞とのインタビューで「母語を奪われる悲しさ、日本語で自分の考えや感情を伝えなければいけないという悲しさを作品を通して描きたかった」と語った。

また、両国の問題を描いた演劇は、加害者の日本人、被害者の韓国人という図式の中で描かれることが多かったとし、歴史の一面としては真実だが、図式の中に韓国の人々を押し込めてしまうことは彼らのヒューマニティーを軽んじ、人間を人間として見ていないことにもなると指摘。登場人物一人一人の生き様を描くことに徹したと紹介した。

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