OBビールの売却説、日本勢の買収報道も

国内ビール市場2位のOBビールに売却説が浮上した。同社の経営権を持つ世界大手ビールメーカーのインベブ(ベルギー)が、OBビールを売却するという。一方、日本の大手2社が買収の意向を示しているもようだ。2社は否定しているが、日本車メーカーの進出が相次ぐなど、韓国の消費市場で日本ブランドが拡大する中、ビール市場にも注目が集まる。

ロイター通信によると、インベブは「バドワイザー」で有名な米アンハイザー・ブッシュ買収の資金調達と事業整理のため、OBビールを売却するという。

OBビールの売却価格は約20億米ドル(約2,164億円)とみられ、アンハイザー・ブッシュの買収手続きを終えた後、JPモルガンチェースなど主幹社が売却入札を行うという。

一方、同報道に対し、OBビールは3日、同社がインベブ本社に問い合わせた結果、売却計画はないことを確認したとし、「事実無根」との公式立場を発表している。

ただ、OBビールの売却説は数年前から浮上しており、国内業界では、今回は初の外信報道ということで実現する可能性は高いとの見方も出ている。

インベブは1998年、斗山からOBビールの株式50%と経営権を買収。2006年にはすべての株式を買収した。OBビールの昨年の売上高は1兆3,000億ウォン、営業利益1,439億ウォン。OBビール(販売ブランド・カス、OBブルー、カフリなど)の国内シェアは40%で、ハイトビール(ハイト、マックス、Sビールなど)に次ぐ国内2位。

■大手2社が買収意向とも報道

同報道ではまた、キリンホールディングス(本社・東京都中央区)とアサヒビール(本社・東京都墨田区)がOBビール買収の意向を示していると伝えた。買収額は20億米ドルを超えるとされる大型案件のため、資金が豊富な2社が有力としている。

ただ、NNAが取材した結果、両社とも「ノーコメント」としている。

韓国経済新聞によると、アサヒと合弁関係にあるロッテグループは、01年に系列企業のロッテ七星がカスビールの買収に乗り出すなどビール事業進出を検討してきた。06年にもOBビール買収のため、ロッテ七星内に専門部署を作ったとされる。

■輸入ビールが急成長

国内市場が飽和状態にあることも、今回の売却説を後押ししたもようだ。

文化日報によると、国内ビール市場のここ5年間の販売額は、小幅の増加と下落を繰り返している。酒類工業協会資料によると、03年以降の国内ビール販売額は04年の3兆4,516億ウォンをピークに、05年は3兆2,939億ウォン、06年は3兆1,641億ウォンと減少。昨年は3兆3,141億ウォンと増加したものの04年を下回っている。

一方、輸入ビール市場は急速に成長している。韓国貿易協会によると、上半期(1~6月)のシェアは昨年同期の2%から2.2%に上昇した。

関税庁によると、上半期(1~6月)のビールの輸入量は2万556トン(1,906万米ドル)。05年同期(1万476トン、757万2,000ドル)と量ベースで2倍、金額ベースで2.5倍以上増えた。

日本勢ではアサヒビールが好調だ。同社の1~7月の出庫量は、前年同期に比べ2倍に増加した。ロッテアサヒ酒類の渡辺精一理事は「海外の商品に敏感なアサヒビールのスーパードライを日本のビールとして認識され、評価を得つつある」と話している。韓国ではビールの泡を好まないとされるが、飲食店向けに泡までおいしい飲み方を提供し、泡までおいしいという概念も受け入れられつつあるという。同社は今後も韓国で品質の高さを広めていく方針だ。

韓国市場における日本モノはこれまで主流だった家電や大衆文化から、自動車や食料品、衣類などに広がっており、ビール業界でも日本勢の活躍が注目される。

9/5 NNA

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