韓国、上半期に11年ぶりの貿易赤字

国際原油価格の急騰により貿易収支が今年の上半期(1~6月)はもちろん、年間全体でも赤字に転じる可能性が高まった。

29日、知識経済部と関税庁などによると、今年に入って今月20日まで輸出は1988億4400万ドル、輸入は2095万2000ドルで、貿易収支は106億7600万ドルの赤字を示した。

このように貿易収支が悪化したのは最近、国際原油価格が急騰し、原油の輸入単価が大幅に跳ね上がっているからだ。

今年に入って5月まで原油の輸入量は減少したが、原油の輸入額は351億7400万ドルと昨年同期間より58.9%急増した。

このため政府も、今年の貿易収支の予測値を当初の黒字から赤字に修正するものとみられる。

韓国政府は今年、中東のドバイ原油の年間平均価格を1バレル当り71ドルに想定し、130億ドル規模の貿易収支黒字を出すものと昨年末に予測した。しかし、ドバイ原油は27日、1バレル=130ドルを突破するなど急騰ぶりを見せている。

今年、貿易収支が赤字に転じた場合、通貨危機が発生した1997年の84億5217万ドルの赤字以来のこととなる。

一方、原油高による内需景気の低迷可能性と反政府不法デモの長期化による情勢の不安定化、労働界の夏闘への懸念などが重なり、企業の体感景気も急速に悪化している。

韓国の全国経済人連合会が29日発表したところよると、今月18~24日、国内600の大手企業(552社の回答)を対象に7月企業の景況感指数(BSI)を調べた結果、83.2を記録し、41ヵ月ぶりの最低水準だった。

BSIが100を超えれば、景気が好転すると予想する企業が多いとのことを意味し、100未満ならその反対を意味する。

また韓国経済研究院は、今年下半期(7~12月)の実質国内総生産(GDP)の成長率が上半期(5.2%)より大きく下回る3.3%に止まり、年間成長率は4.2%になるものと予測した。

韓国経済研究院は、「下半期の景気低迷と物価上昇が同時に起きるスタグフレーションが憂慮されるだけに、物価安定に政策の最優先順位を置かなければならない」と指摘した。

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