IMF通貨危機以降に本格化した韓国社会の「中間層崩壊現象」が日増しに深刻化していることがわかった。
「社会の腰」にあたる中間層が減少し、貧困層が増えれば、社会的な対立が深まり、成長をめざす社会的なコンセンサス形成は望みが薄くなる。
24日に韓国開発研究院(KDI)のユ・キョンジュン主任研究委員とチェ・バウル主任研究員が発表した「中間層の定義と推定」報告書によると、全体世帯のうち、仮処分所得ベースで中位所得の50~150%を稼ぐ中間層は、1996年68.5%、00年61.9%、06年58.5%と低下する傾向にあることがわかった。
中位所得は、所得順で人口を並べた際に中間に位置する人の所得だ。
同期間、中位所得の50%未満を稼ぐ貧困層の割合は、1996年11.3%、00年15.7%、06年17.9%と増えている。富裕層も1996年20.3%、00年22.4%、06年23.6%と増加している。
チェ研究員は、「富裕層と貧困層の間に移動がなかったと仮定すれば、10年間の間に減少した中間層は10ポイントのうち約3ポイントが富裕層に移動しており、約7ポイントは貧困層に移動したものと推定できる」と説明した。
所得上位20%と下位20%を除いた中間の60%にあたる世帯の所得シェアは、仮処分所得ベースで1996年54.3%から00年51.6%に減少した後、06年54.7%に回復したが、昨年54.1%と再び下落に転じた。下位20%の所得シェアは1996年7.9%、00年6.2%、06年5.7%、07年5.6%と下落しつつある。
都市世帯の統計を分析した結果からも、中間層率は1992年75%まで上昇した後、1998年65%に減少したが、以後下落傾向が続いていることがわかった。それに対し、貧困層の比重は増え続けている。とくに、1人世帯を含めれば所得不平等程度はさらに高まることがわかった。
ユ研究委員は「通貨危機以降、中間層関連の各種指標が悪化している。自営業者たちの墜落と家族解体による低所得層および独居老人世帯の増加が主原因」と分析している。
さらにユ研究委員は、「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が所得分配を改善するため、多くの投資を行ったにもかかわらず、貧困問題が悪化したのは福祉サービスの不行き届きによるところが大きい」と述べ、体系的な所得把握を通じた福祉サービス体系の効率化を求めた。