【写真】金慶憲顧問と金君子夫人
7月12日、国立・釜山大学校本館の大会議室にて「慶憲・シルバーアカデミー(老人大学)」を創設した本会議所の金慶憲顧問(77)=京都市・洛西建設工業(株)会長に対しこれまでの功績を評価して、釜山大学校より在日同胞としては、初の「名誉経営学博士学位」が授与されました。
同アカデミーは、2000年11月に金氏が生れ故郷である釜山市に「60歳を過ぎた方々に対し、人生を充実させるために学習できるの場を提供する老人福祉基金や、若者のスポーツ振興などの基金として役立ててもらいたい」との主旨から10億ウォンを寄付して、釜山市が釜山大学校へ運営委託し創設されたもの。
一方、授与式に先立って行われた「慶憲・シルバーアカデミー」の第6期修了式では86名が修了証を受取った。日本ゥらお祝いに駆けつけた金建治・韓商連会長は、卒業を祝い万歩計を修了生全員に贈った。これまでの修了者数は総勢500名余り。
この日、来賓として許南植釜山市長をはじめ、日本から初参加の金宰淑民団中央本部団長及び、「慶憲・シルバーアカデミー」後援会のメンバーである韓昌祐・後援会長、金建治・韓商連会長、金元栄・韓商連副会長、金信夫・韓商連副会長、李愚京・京都国際学園理事長、李相助・京都韓商顧問夫妻、宋基泰・京都韓商副会長夫妻らがお祝いに駆けつけた。
また、「慶憲・シルバーアカデミー」後援会から1,940万ウォンが釜山大学校に運営費として贈られた。
【金慶憲氏あいさつ全文】
今日、私にこんなに大きい栄光である名誉経営学博士学位を下さった、釜山大学校・金仁世総長と釜山大学校の関係教授皆様に感謝申し上げます。
そして、多忙な中にも関わらず釜山市の許南植市長はじめ、韓国に住んでいらっしゃる知人の方々及び、遠く日本から参席してくださった在日韓国民団中央本部・金宰淑団長、在日韓国商工会議所・韓昌祐名誉顧問と金建治会長と各役員にも感謝いたします。
私は、4才で両親に連れられて日本に渡りハングルもろくに習うことができませんでした。さらに、早くに父を亡くし60才になるまで9人兄弟の長男として、又家長としてただひたすらその責任を尽くそうと頑張って仕事をすることしか頭になかったのです。
私は60才を過ぎてから、日本の京都にある老人大学に通いながらパソコンを習い、立派な先生たちの良い教えを受け、それで、体も心も若くなっていくような気分になり、又新しい人生を生きているような感じになりました。
私は、この楽しみを私の祖国の老人たちにも一緒に味わってもらいたいと思い、私の故郷である釜山市にお願いしたところ、特に国立大学である釜山大学校が私の意を受け入れてくださり、今日まで6期に渡り500名余りの修了生を輩出することができました。
修了生の方々も私と同じように楽しく社会へ寄与する役割を担い、自分の人生が潤沢になることを信じています。
私が、経営の第一線で活動した40年を超える歳月は、まさに汗と涙の連続でした。自分が住んでいる日本では私は外国人であり、韓国においても在外国民扱いで、どの国からも社会生活や経営活動で内国民のような優待を受けることが出来ませんでした。
早くから始めた建設工事で私は、自分が作ったコンクリート構造物が養生する前に損傷することを恐れ、自分が着ていた上着で覆うほどに全てのことに真心で接しました。お金を稼ぐためだけではなく与えられた事に最善を尽くし、自分自身にも正直に仕事をして来ました。
もちろん、私が行っていることが人の助けになるということが、私の優先的な考えでした。今、私は、他人に世話をかける老人ではなく、若者に負けないくらいに社会に役立つ人でありたいと考えています。
私は、勉強不足に陥らないように、常に本に接しながら生きてきました。特に60才を過ぎてからは、より多くの本を読みました。本だけではなく60才を越えて習ったパソコンは、今、私の無二の親友(チング)になりました。私の友であるパソコンを通じて、多くの有益な情報を得たり、株を売買したり、経済活動にも欠かせない物となりました。
私は、祖国韓国で意義ある二つの事業に参与し、国家に寄与もできただけではなく、お金も稼ぎました。
今の保安警報会社であるエスワン・セコムを設立して20年間余りを理事及び代表理事として経営に参与しながら上場を果しより大きい会社に発展させました。
また、新韓銀行が堅固な銀行に成長し、設立に参与した本人としては大きな甲斐があったことを感じています。
これからも、私は出来る事を探してこの世が必要とする人間でありたいと考えています。
金仁世総長、そして釜山大学校教授の方々、今日、私に下さった名誉経営学博士学位が決して総長と教授の皆様に恥じを欠かせないように、これから釜山大学人として学校発展に積極的に参与するのはもちろんのこと、国家と社会にも学位に合う役割を果たせるように尽くしたいと考えています。
最後に、私の名誉博士学位授与を祝賀するために参席して下さった来賓皆様に重ね重ね感謝しながら、他国でも立派に成長してくれた私の娘と息子そして大変な苦労を我慢して、50年余りにわたり、私を助けてくれた妻にもこの席をかりて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
ありがとうございます。
金 慶 憲